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-これって自分にツッコミ日記じゃんと思う今日この頃-
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やっと対処法が分かりました。こんばんわ。

なぜTOPページだけ文字化けしないのか。
そう思ってソースを見比べていたら見つけました。その一行を加えれば見れるようになるようです。
しかし、たかが一行とはいえ。短編だけで120作品、頂き物や企画や秘密部屋やその他諸々・・・
うむ。1日で終わるものではありませんね!
未だにメモ帳でタグ打ちしてる身ですので。手作業なんですよ!
そんなわけで、とりあえずの対処として現在連載中の「唯一」と最新話の5つ。
通販ページや主なタイトルページだけは対応させてみました。
あとは連載終了後に少しずつ更新していきます。

本日の更新
陛下のブチ切れ回ですね。夕鈴間に合わず。
ある作品を読めば副官さん・・・つまり栄賢さんのその後が分かってしまうので、この語の展開も読めるかなとは思うのですが。
次回が解決編で、最後にオマケが少しってところですね。
じっとしてるなら夕鈴じゃないってことで、次回は夕鈴が暴れる回です。

・・・で、昨日の続きですが。
相変わらずあまり明るい話ではないです。
それでも良いという方は続きをどうぞ。

















ことりと、窓辺に小筆を置く。

これしか残らなかった。
これだけは残った。

たった一つだけのそれの横に、先程摘んできた花を添えた。

「・・・・・・・・・・・・」
声に出さずに彼の名を呼ぶ。
他の誰が忘れても、私だけは覚えていようと思った。


「夕鈴?」
「っあ、陛下! 気付かなくてすみません!!」
背中にかけられた声に弾かれたようにふり返る。
きっと呼ばれたのに聞こえていなかったのだろうと、慌てて彼のところに駆け寄った。
「まだ日も暮れてませんけど、何かありーーー」
「・・・泣いていたのか?」
徐に頬に手を添えられたかと思ったら上向かされる。
そうして覗き込まれる距離が近すぎで慌てた。
「え、あ、いえっ これは・・・目にっ目にゴミが入って痛かったんです!」
泣いていた理由なんて言えない。
あの人を悼むのは私が勝手にしていることだ。
「・・・そう。」
誤魔化したことにはとっくに気付かれているのだろう。
飲み込んだ言葉の代わりに向けられた悲しげな顔に、胸がぎゅっと締め付けられた。
「大丈夫?」
「はい。もう涙と一緒に流れてしまいましたから。」
私はちゃんと笑えているだろうか。
騙されて欲しいと思う。私が勝手にしていることに、優しい貴方を巻き込みたくはないから。

「・・・夕鈴」
不意にぽふっと抱きしめられる。
「へ、へへへへいかっ!?」
脈絡がなさ過ぎて飛び上がるくらいに驚いた。
・・・離してはもらえなかったけれど。
「私は謝らない。」
「っ」
その一言だけを吐息のように呟いて、彼は息をのむ私をぎゅっと強く抱きしめる。
それが陛下の答え。ならば、私に言えることは他にない。
「・・・陛下が謝るようなことは何もありませんでした。だから、謝らなくて良いと思います。」
「君は、私を恨むか?」
「いいえ。」

陛下を恨むなんて、そんな気持ちは全くなかった。
あの人は自分で絶望して死を選んで、私は勝手に悼んでいるだけだ。

「・・・君は蘇秦を好きだった?」
「・・・・・・あの人は私です。」
「君はそればかりだね・・・・・・」

その時の陛下の表情は、抱きしめられたままだったから見れなかった。




*




あれから、同じ季節が幾度も巡った。
本当にたくさんのことがあったと思う。
私達は 一度は別れて再び巡り会って。そして結ばれた。

貴方を愛して、・・・貴方に愛されて。
―――そして気づいてしまった。自分の過ちに。


「何を見ているの?」
髪を浚う風に手を伸ばしていると、いつの間にか隣に陛下が立っていた。
「空を。・・・今日もいい天気だなって。」
空を見たまま答えれば、彼も同じ方を見て「いい天気だねぇ」と笑う。
遠くて遠くてつらかった距離、今はこんなに近い。

「ーーーー」
しばらく陛下の横顔を眺めていたけれど、不意に夕鈴からぎゅうと抱きついた。
「夕鈴?」
目をぱちぱちと瞬かせながらどうしたのと陛下が聞いてくる。
こんなことは本当に珍しいことだからだ。
「ごめんなさい」
「何が?」
謝っても彼は全く心当たりがなさそうだった。
心底不思議そうに聞き返されてしまう。
「たくさんありますけど・・・ 今日は、貴方を傷つけた過去に。」

どんなに季節が巡っても、あの日のことは忘れていない。
特に今の季節は、あの人の最期を思い出す。

「・・・蘇秦さんを覚えていますか?」
声には出さなかったけれど、陛下の身体が僅かに強張った。
「あの人のことで、陛下に言っていないことがあります。」
言わなかったことで、陛下を傷つけていたことに気がついたのは最近のこと。
あの頃は、陛下が私のことをどう思っていたかなんて知らなかった。知らなかったから傷つけたことにも気付かなかった。
「あの人は私・・・あの人は"狼陛下の妃"を、私は"陛下"を好きでした。どちらも叶わぬ恋でした。」
陛下の方を見上げると、彼は驚きに目を見張ってこちらを見ている。
あの頃言えなかったことを今初めて言った。驚くのも無理はない。

あの頃の私はバイト妃で、どんなに陛下を好きでも叶わないと思っていた。
そんなことを陛下に言うことはできなかったから。だからあれ以上何も言えなかった。

「幻を愛して叶わぬ恋に絶望して、あの人は望んで命を絶ちました。」
「・・・あの男を殺したのは私だ。」
「違うんです。あの人はわざと刺されました。本当は、私を殺す気なんてなかったのに。」
全てを話すとなると自分の気持ちも言わなければならなかったから何も言えなかった。

言わなかったことでどれだけ傷つけただろう。
あの人を悼んで沈んでいた私を見て、どれだけ苦しめてしまっただろう。

「ごめんなさい。陛下に罪を被せてしまったことにずっと気づけなくて・・・・・・」

あの日あの場で陛下の手にかからなくても、彼は反逆者の一族として命はなかった。
死に場所をあの人は選んだだけで、陛下は巻き込まれただけ。

『君は、私を恨むか?』
あの言葉にあの時返すべきだった言葉は。

「陛下を恨んだりしません。あれはあの人が選んだ道ですから。・・・私が好きなのは陛下で、彼に自分を重ねてしまっただけです。」

今なら言えるのに。
あの時は傷つける言葉しか言えなかった。

何度謝ってもあの頃に戻ることはできないけれど。
今はあの頃の分まで謝ることしかできない。

けれど、 ごめんなさいともう一度謝ろうとした言葉は、重ねられた唇の中に溶けていった。



2人が両思いにならないと続きは書けないと当時言っていました。
で、原作で無事結ばれたので書いてみましたとさ。

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基本はめんどくさがりです。

注意:
以前の日記と同じスタンスなので、ヲタも仕事も日常もごちゃ混ぜです。
真面目な検索で来られた方はスミマセン…(汗)

ヲタ歴:
封神でこちらの世界に入り込み、ガンダムSEEDにはまりまくり、現在は狼陛下も大好きです☆
時々サイトで二次小説を書き散らかしてます。
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