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-これって自分にツッコミ日記じゃんと思う今日この頃-
後半です。1000文字って短い…

―――

「…中尉。」
「はい?」
仕事は素直に諦めたらしく、書類は机上の山に戻されている。
椅子を正面からずらして彼は深く座り直すと、ゆるりと さらに組んでいた足を解いた。

「ここに、来てくれないか?」

そして指さされたのは彼の目の前の、足元。
「?」
「良いから。」
言葉も表情も伺うようなものだったはずなのに。
それには有無を言わせない何かがあって。

彼が何を考えているかは分からないけれど…
言われた通りに数歩前に進んで彼の言う位置に立った。


「大佐?」
見下ろす自分と見上げる彼の視線が絡む。
それでも、表情からは何も読み取れなくて。
「……?」
首を傾げる私の手から、彼は書類を取り上げて机に放った。
さらに意味が分かりかねていると手を取られる。

「…寒いんだ、ここが。」

呟くように言って、彼は自分の胸を指した。

「あたためて、くれないか?」

押し当てられた手のひらには、軍服のごわついた感触。
力を込められてはいないから 鼓動は感じない。

「…中尉。」


他の女性に頼めば良いと、いつもなら言うところ。
どんなに笑顔で甘えられても、普段なら一言で切り捨てる。

けれど。

微かに笑みを作る表情の先に、深い悲しみが見えて。
泣いているようだと思った。

―――だから。


「―――ご命令であれば。」

それが最大限の譲歩の"カタチ"。
そんな言葉でしか 今は応えてあげれないから。

「それで良い。今は… だから。」
手が解かれて、次に伸ばされる腕。
「はい。」
誘われるようにさらに1歩進む。
彼の足の間に入り込むと腕が腰に回された。

込められた力は強く、少し息苦しい。
言葉は無くて、そこに横たわるのは長い沈黙。

在ることを確かめているようだと思った。
生きていることを、脈打つ心臓があることを。

「―――…」
わずかに逡巡した後そっと手を回して、体を曲げて彼の頭を抱いた。



ヒューズ中佐。
故人に対してこう思うのは失礼かもしれませんが。
私は貴方が少しだけ羨ましい。
貴方の死を、彼はこんなにも哀しんでいるから。


…私が死んでも 貴方はこんな風に哀しんでくれるかしら。

差し出された手を、離してしまった私を。
貴方はまだ……

―――

ロイアイ好き☆
実はウチのロイアイにしては甘い方。

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注意:
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ヲタ歴:
封神でこちらの世界に入り込み、ガンダムSEEDにはまりまくり、現在は狼陛下も大好きです☆
時々サイトで二次小説を書き散らかしてます。
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